奴隷制度が根深く残る1858年アメリカ南部。黒人奴隷のジャンゴはドイツ人の賞金稼ぎシュルツによって鎖から解放されガンマン修行を始める。ジャンゴが腕を磨く理由はただ一つ、極悪農園主キャンディの元にいる妻を救い出すためだ。シンプルなストーリーを楽しませてくれるのは、個性溢れすぎているキャラクターたち。歯医者から賞金稼ぎへ転職したシュルツは、紳士的な物腰で賞金首を容赦なく撃ち殺す。大農園主キャンディは南部の悪習そのものを具現化したような嫌な気持ちになる男。他にも黒人差別主義者の黒人などクセの強いキャラが数多登場する本作は、アカデミー脚本賞も納得の面白さ。タランティーノが下半身を差し出す覚悟で作った過激なラブストーリーをご堪能ください。

最近、コンビニを始め、海外の方が働かれていることが多いと思いませんか？ 日本においても、高齢化社会、国際化などで、多くの外国人との共同生活が始まっています。言葉の問題や、文化の違いなどありますが、人として彼らとどう接していくべきなのか。本作の舞台であるイタリアをはじめ、移民問題は多くの国が直面している問題です。現在、このテーマをベースに描いた作品が数多く製作されていますが、あまり日本では紹介されておりません。映画の魅力の一つとして、世界の情勢、現実を知れるというものがあります。本作は、ただの問題提起だけでなく、見たものすべてを魅了する魅力も詰め込まれています。ぜひスクリーンでご覧ください。

『憎しみの連鎖』ではなく『愛情の連鎖』というものがあってもいいはずだ―。
これは巨匠・山田洋次監督の助監督、共同脚本としてキャリアを積んできた平松恵美子監督がデビュー作に込めたメッセージです。ある日、動物保護管理所に収容された母犬と生まれたばかりの子犬達。７日間で新しい飼い主が見つからなければ、その小さな命は奪われてしまう。堺雅人演じる保健所職員・神崎は彼らを必死で守ろうとしますが、母犬は子犬を守るために近寄る人すべてに激しく吠え、人間に心を開きません。でも神崎は母犬がかつて人に飼われ、愛されていたはずだと確信し―。
命の大切さをゆっくりと、しかし確実に伝えてくれる、深くやさしい愛の物語です。