瀬戸内寂聴の代表作を映画化。染色家という職をもち自立した女性、知子が、長年の愛人と、昔の恋人との間で揺れ、ある選択をするまでを描いています。出版当時は非常にセンセーショナルな物語でした。今は職業を持ち、自立した女性も多い時代。だからこそ、知子の思いや惑いに共感する女性も増えているのではないでしょうか。原作「夏の終り」は出版から５０年経ってもなお売れ続け、１００万部を超えるロング・ベスト・セラーとなっています。満島ひかり、小林薫、綾野剛といった実力派俳優の共演はもちろん、昭和の陰影を見事に表現した映像、美術にも注目です。夏が終り、秋へと向かう今の時期にピッタリの作品です。ぜひ劇場でご覧ください！

ＮＨＫ番組「猫のしっぽカエルの手 京都大原ベニシアの手づくり暮らし」で知られる英国人女性、ベニシア・スタンリー・スミスさん。この映画は、英国と日本、二つの文化が調和した彼女の日々の暮らしと、その波乱万丈の半生を紹介するものです。貴族の家系に生まれ、お城のような家で幼少期を過ごしたベニシアさん、そんな彼女がなぜ故郷を遠く離れ、大原の古民家での暮らしを選んだのか、その理由がこの映画を見ると心にストンと納得できます。ベニシアさんのような心豊かな生活に憧れていても、余裕が無くて、つい小さな事にくよくよしてしまう日々。でもこの映画を見ると「大丈夫、前を向いて明日も歩いて行ける」そんな勇気がもらえます。

タイピング世界大会でスポーツのような爽快感が味わえる映画『タイピスト！』。メイン劇場・ヒューマントラストシネマ有楽町では初日と１週間の動員、興収新記録を樹立、口コミが広がり大ヒットの快進撃が続いています！ なぜこれほどまでに本作が人々を魅了するのか？ 鑑賞後のアンケートを見ながら改めてヒットの理由を考えました。（１）何も考えずにスカッとできた。（２）明るい気分になった（３）ひたむきに頑張る主人公に勇気をもらった。などなど。メディアを見ると悲しいニュースが嫌でも入ってきて、ついつい沈みがちな気分になってしまう。現代に生きる私たちの気分を上げてくれるＦｅｅｌＧｏｏｄな映画を、今人々は求めているのかもしれません！