田舎に生まれ育ち、文字も読めぬまま結婚。最愛の夫を亡くし、女手一つで７人の息子を必死に育てるおかあさん。戦争についての知識もなく、召集された息子から「戦争に行けることは名誉なこと」と言われ、別れの悲しさを表に出せず、泣きそうな笑顔で戦地へ送り出すおかあさん。息子が出征する度、庭に桐の木を植え、世話をしながら無事に帰ってくることを願います。原作者の大川悦生さんが、「民話」を集めに全国各地を旅した際に、「まず、聞いてほしい話がある」と、さまざまな人々からこのような話を聞いたそうです。憲法改正がリアリティを増す今だからこそ、「普通の人々」を描いた今作が一人でも多くの方の考えるきっかけになりますように……。

日本円で約23億円（！）1983年当時、個人の誘拐としては史上最高額の身代金が奪われた大誘拐事件を知っていますか？ 本作は、オランダで実際に起きた大ビール企業の会長誘拐事件が題材。犯人は、金に困った若者５人組。巨大組織の犯行に見せかけた計画は上手く進みますが、予想外だったのは捕えた人質の傲慢な言動。老かいで、言葉巧みに惑わす人質に、素人誘拐犯たちは翻弄され……。駆け引き、誤算、落とし穴、はたして事件の行方は?! 徹底した犯人目線で描かれるため、アンソニー・ホプキンスが演じる曲者な人質に追い詰められていく緊張感！ 歴史的大事件の≪裏≫でいったい何が起きたのか？実話に基づく本格ミステリーです！