ベテラン篠原哲雄監督初の海外進出作品は、日中合作である。リン・チーリンさんも日本での映画撮影は初めて。スキーも温泉入浴も！ 池内博之さんも中国語の台詞の量！大変だったと思う。一言で言うと沢山の苦労を重ねた作品。それは1人の中国人女性から生まれた。彼女の企画、プロデュースである。以前ゆうばり映画祭に訪れ、その温かさと美しさに恋した。しかし、2008年に夕張が財政破綻となり、映画祭の存続が危ぶまれるニュースを耳にし、何とかしたいと思う気持ちが映画となった。日本と中国を舞台にした10年に渡る純愛―池内博之さんがリン・チーリンさんを思う気持ちは彼女そのもの。中国女の気迫が画面からビンビン伝わるのです。

『ジョン・ウィック』のキレキレのアクションも記憶に新しいキアヌ・リーヴスの最新作がいよいよやってきました。アクションスターのイメージが強いキアヌですが、本作で演じるのは落ち着いた中にも鋭さを持つ、真実を追い求める敏腕弁護士。父親殺しの容疑をかけられた17歳の少年の弁護を引き受け、絶対不利な証拠、証言のほころびを突き崩していきます。法廷ミステリーの醍醐味ともいえる、伏線が張り巡らされた会話の駆け引き、そしてラストに待ち受ける驚愕（きょうがく）のどんでん返しに満足すること間違いなしです。共演のレニー・ゼルウィガーの妖艶な演技にも注目です。そして本作、なんと日本が世界最速公開！ 94分、あなたは騙（だま）され続ける。