【戦後八十年】
原爆記者の語る人間の原点としての戦争体験

8月9日(土) 15:30~17:00
荒井 魏(早稲田大学人間科学博士、元毎日新聞記者)
新聞記者としての初任地が長崎で、原爆問題を担当したのが1970年。
当時は「原爆記者」と呼ばれていましたが、取材体験の記憶があまりに鮮烈で、その原爆記者意識が自身の人生を決定づけたように感じています。
以来、原爆問題だけでなくビキニ被災、アメリカ・ハワイの真珠湾を含め、太平洋上に広がるガダルカナル、レイテ、サイパン、テニアン、沖縄…などを取材。
連載「戦跡巡礼」を執筆するなど、戦争体験そのものが日本人にもたらしたもの、その意義を追求
してきました。
被爆、戦争体験と聞くと、一般的に「残虐」「悪」というイメージをもちがちです。
しかし体験者たちの話からは、それだけではありません。
極限状況においても他者を思いやる心、生き残った者の心の痛み…など人間的なものも、そこに見出せます。
しかし憎悪を掻き立てられれば、集団として、信じられないような残虐行為を平然と犯し、正当化している。

人間の「愛」と「憎」の矛盾した性格を浮き彫りにする戦争。
戦争体験をきわめて大切な「人間的課題」として捉え、その意義が人の存在の原点と直結していることを明らかにしたい、と思います。


★講師プロフィール★ 
1945年(昭和20年)生。東京都出身。毎日新聞社編集委員、敬和学園大学客員教授、環太平洋大学教授・図書館長などを経て現在、文芸評論家、日本文化社会学会会長。良寛研究で早稲田大学から人間科学博士号を授与された後、毎日文化センターで二十数年「良寛講座」を継続開講している。『良寛の四季』(岩波書店)、『天下人の自由時間』(文春新書)など著書多数。
各3,520円(税込)
◆設備費 各165円(税込)
※キャンセルは1週間前まで。それ以降は全額お支払いいただきます。
◆持参品 筆記用具
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