太田道灌ゆかりの地を歩く

第2木曜日 10:30~14:00頃 全6回 
10月9日~2026年3月12日
[10/9、11/13、12/11、1/8、2/12、3/12]
清水 克悦(歴史ライター)
 太田道灌は、室町時代から戦国時代への転換期に活躍した扇谷上杉家(以下扇谷家)の家宰(執権・執事)を務めた武将です。
家宰は、時に家長の代行をしたり、他家との交渉を行ったり、また主家の家来に所領を分け与えたり、保証したり、支配している地域にさまざまな税金を課したり、免除したりと権力を一手に掌握し、家政を取り仕切ります。
道灌は軍勢の大将としても戦術、用兵が巧みで、数々の戦いに戦績を残し、主家の扇谷家の勢力拡大に貢献しました。
その結果、扇谷家は、関東管領の山内上杉家(以下山内家)に肩を並べるまでになります。太田道灌の名声は絶大でした。

 10月期は、「長尾景春の乱」に対処して活躍する道灌ゆかりの地と道灌終焉の地を歩きます。事前に資料を配布します。「歩く」を重視した歴史散策です。リュック、歩きやすい靴、服装でご参加ください。


★スケジュール 
※集合時間は各回とも10時30分(時間厳守)駅改札前

10/9
【長尾景春の乱、鉢形城を歩く】
山内上杉家の家宰である長尾景信が死去した。次は嫡男の景春が継ぐと誰もが思った。しかし、主家の山内上杉顕定は、景春の叔父の忠景を家宰に指名した。これに景春が反発した。道灌の妻は、景信の妹だから、景春は甥である。ことは重大だ。道灌は調停に乗り出すが、顕定に不信感を持たれ失敗する。まもなく、五十子陣を崩壊させて長尾景春の乱が勃発した。
【歩行距離:約4km、歩行時間:約2時間】
集合/JR八高線、秩父鉄道、東武東上線「寄居」駅改札
解散/同駅

11/13
【江古田原沼袋古戦場から石神井城跡へ】
道灌が練馬城に矢を打ち込み、周辺に放火して引き返すのを見た練馬城主の豊島泰明は、石神井城主の兄・豊島泰経に知らせ、道灌を追撃した。道灌は作戦どおり、馬を引き返して江古田原で迎え撃った。豊島方は、弟の泰明ほか多くの戦死者を出し、兄・泰経と辛うじて生き残った兵たちは石神井城に敗走した。道灌は泰経を追って、城を囲んだ。
【歩行距離:約5.5km、歩行時間:約1時間30分】
集合/西武新宿線「新井薬師前」駅改札
解散/西武新宿線「上井草」駅

12/11
【小磯城跡から富士山を眺める】
五十子陣が崩壊し、長尾景春の乱が勃発した時、道灌は、山内上杉顕定、山内家の家宰・長尾忠景との確執から本拠の江戸城に籠っていた。両上杉家の首脳の中で、武蔵と南関東で健在だったのは道灌だけだった。景春に味方する勢力は大きく、上杉勢は崩壊の危機にあった。道灌は、扇谷上杉家の勢力圏にある相模、武蔵南部の景春勢力の鎮圧に乗り出した。
【歩行距離:約3km、歩行時間:約1時間30分】
集合/JR東海道線「大磯」駅改札
解散/同駅

1/8
【道灌、小机城を攻める】
道灌は鶴見川を挟んで小机城の北東1.5km にある亀甲山に陣城を築いた。このとき体調がすぐれず、兵たちも士気が上がらない。道灌が守護仏の薬師如来に祈ると、たちまち病魔は退散した。道灌は、「小机城を落すなど、たやすいことだ。散り散りにさせてしまおう」という意味の「小机には先ず手習いの始めにて、いろはにほへと ちりぢりになる」と戯れ歌を詠んで士気を鼓舞した。
【歩行距離:約4.6km、歩行時間:約2時間30分】
集合/横浜市営地下鉄「北新横浜」駅改札(1カ所)
解散/JR横浜線「小机」駅

2/12
【父・道真が隠居した越生を歩く】
龍穏寺には道真、道灌父子の墓がある。この寺は、室町幕府の6代将軍・足利義教が扇谷上杉持朝に命じて建立した寺。その後、太田道真、道灌父子によって伽藍が再興されている。1kmほど離れた健康寺(龍穏寺の末寺)は、道灌の死を悼んだ道真が、その菩提を弔うために建立した寺。地元では、この地は道真が隠居した自得軒と伝える。
【歩行距離:約5km、歩行時間:約2時間30分】
集合/JR八高線・東武越生線「越生」駅西口
解散/同駅

3/12
【道灌が謀殺された糟谷館はどこか】
扇谷上杉家の家宰であり江戸城主であった太田道灌は、主人の上杉定正の糟屋館に招かれ、定正の命を受けた曽我兵庫らの刺客に湯殿で襲われ暗殺された。「当方滅亡」(これで扇谷上杉家は滅亡するぞ)と叫んで亡くなった。享年55歳。事件があった糟屋館は、近年の下糟屋の丸山城址公園の発掘調査で、この地が糟屋館である可能性が高まってきた。
【歩行距離:約3km、歩行時間:約1時間45分】
集合/小田急小田原線「伊勢原」駅改札
解散/同駅


★講師プロフィール★
歴史ライター、歴史さんぽ講師。毎日文化センターでは、「城跡ハイキング」のほか「武蔵野さんぽ」を担当。著書に『首都圏城跡ハイキング』、『関東・甲信越 戦国の名城・古城 歩いて巡るベスト100』(ともにメイツ出版)、『横浜謎解き街歩き』『山手線謎解き街歩き』(ともに実業之日本社)など。
21,120円(税込・6回分)
※現地集合・解散、交通費・入園料・入館料・拝観料各自。
※現地までタクシーを利用する場合もございます。
◆資料代 1,188円(税込・6回分)
◆保険料 960円(税込・@160円×6回分)
◆郵送料 660円(税込・@110円×6回分)
◆持参品 歩きやすい靴、帽子、雨具、筆記具、保険証(コピーでも可)

※荒天が予想され延期する場合は、前日までにご連絡します。
原則として、翌週土曜に振替などの対応をしますが、訪問先の状況により、曜日変更もあります。その場合、欠席のご返金はできかねますのでご了承ください。
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